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恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第4章 底にあるもの
 だが……もしそれがそのまま真実なら、その穢れにまみれた自分を神たる二人が助けてくれるものだろうか。それほど忌み嫌われるものなら、見捨てられていたのではないだろうか。
 (でも猿彦さんは平気そうにあれを手で掴んでた。日嗣様は……それでも、敬意を持って振る舞っていたような気がする……)
 だが、そうできたのは……あの二人が何か特別だからなのだろうか。比べる対象もおらず、少女にそれを推し量ることはできない。禊はたまに、こうして明確な答えを与えてくれないことがある。
 代わりに答えを求めるように、少女の指先は知らず知らず右肩に向かっていた。
「あのね、禊……。駄目かもしれないけど……その、もう一度日嗣様と猿彦さんに会うことはできない?」
「……はい。本来、神とはそういう性質のものではございません。祭祀などで乞うこともできますが、お降り下さる可能性は低いかと存じます。神々は皆奔放であり、故にこそ神なのです。ですから……敢えて申し上げるなら、貴女が巫女におなりあそばせて、尚且つ件の神々らとの縁こそあらば」
「ん……、やっぱり、そうだよね……。洞主様も、それが何より幸せなことって言ってたし」
「……」
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