この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
恋いろ神代記~縁離の天孫と神結の巫女~(おしらせあり)
第4章 底にあるもの
 少女の寝返りが増え衣擦れの音がし始めると、禊はすぐに確率が確信に変わったことを悟った。
 ──あの桜色の香は、水蛭子を“巫女”と“禊”に選り分けるもの。巫女と禊、双方の本来の役割に関係するため必ず使われる──媚薬の一つだった。
 そもそも禊となる水蛭子にはその類のものは一切効かない。傍らでうつらうつらしている童も、今までの経験の中でそれが全く効かないことが分かっていた。だからこそ、禊は童の道を狭めないよう他の匠達と同様に、教育も含めて時に厳しい物言いもする。
 ただ少女が巫女となれば、禊と童はそのまま生涯彼女の僕(しもべ)となるから、そこは童も喜ぶだろう。禊の一存で断ることもできるが、それをするつもりはない。
 「……一ノ弟」
「ん……あ、やべ。寝ちゃってた……」
少女の吐息に甘い声が混ざり始めたところで、禊は童を揺り起こした。
「どっち?」
「巫女の方だ」
「ああ……やっぱりなぁ」
童は目を擦り、ちらりと少女の居る部屋の方を見る。几帳の向こう、更に蚊帳(かや)の向こうで時折漏れ聞こえる声は間違いなく──。
「大兄がまだ起きていらっしゃるだろう。言伝てを」
「分かった」
立ち上がり背伸びをする童の顔は、やはりどこか嬉しそうだった。
/298ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ