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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第6章 素直になれなくて……
翔太さんは部長から話を聞いてるのかな?
「告白されたんだろ?」
え?……
やっぱり、聞いてたんだ!
「………はぃ」
部長の気持ちはすっごく嬉しかったけど……
鏡也君がダメだから部長に…なんて
そんなのダメ。
でも部長は私の気持ちを分かってくれてたよ。
──勤務最終日─
「葉瑠ちゃん最後の日まで残業するの?」
「やりかけの仕事のメモだけね」
本社で仲良しのなっちゃんが心配してくれる…
簡単なメモを残しておけば困らないかなって思って!
「もう終わるから先に帰って」
「そう?じゃお先に、葉瑠ちゃん元気でね」
「…うん、ありがと」
みんなが帰った後の静かなオフィス。
時々手を止めて広いオフィスを眺めたりして─
今日が最後だと思うといろんな感情が込み上げてくる……
慣れないマネージャーの仕事に疲れてここに戻ってくるとみんなが笑顔で迎えてくれた。
忙しかったけど楽しかったな!
鏡也君と離れてるのが辛くて、漸く決心した退職なのに突然の凍結宣言…
みんなには本当の事が言えないまま!
せっかく部長が本社勤務にしてくれたのに─
ガチャ……
「なんだ宮下まだいたのか」
あっ部長……まだ会議してたんだ。
ひとりで思いを巡らせていると、会議で残っていた部長がオフィスに戻ってきた。
「あっ部長お疲れ様です。ずいぶん長いこと会議してたんですね」
「あ~新規の戦略会議だとよ…また俺の仕事が増えたわ」
部長は疲れた様子で椅子に腰を下ろした。
「………すみません…」
私が途中で仕事を投げ出しちゃうからだね。
「ん?なにが…お前が謝る意味がわかんね~」