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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第6章 素直になれなくて……

部長がジーっと私を見る。

「だって私が辞めなきゃ顎で人を使っていられたのに─」
「お前な…それイヤミか?人を年寄り扱いすんな」

そうじゃないけど……
部長の疲れた様子を見ると申し訳なくて。


「お前、彼氏となんかあったのか?」

え?……なに突然!


「別になにも」
「嘘つけ。仕事を辞めて札幌に行くって言うわりには元気はないし無理して笑ってるから、おかしいと思ってたんだ」
「………!!」

部長は俯く私の顔を覗き込んでくる…

「行くんだろ?札幌に」
「──い、行きますよ」

「いつ行くんだ」
「──そのうち、です」

「そのうちって……もしかして別れたか?」
「別れたわけじゃ……」

「じゃなんでだ?」
「………//」

どうなってるのか説明しろって言われたけど
言えるわけないじゃない。

「ほっといて下さい」
「ほっとけるわけね~だろ!」
ビク──強い口調で怒鳴られて涙が滲んできた。

「悪い、でも…俺にも聞く権利はあるだろ?」
今度は私を宥めるような優しい口調。

「札幌に行かないなら辞める理由にならないぞ。また勤めるか?」

ブンブン、グスッ──もうムリだよ!
仕事なんてする気にならないもん。

「じゃ…ちゃんと説明しろ」


一歩も引かない部長に経緯を話すことになってしまった……

「別れたんじゃないんです、ただ凍結するって」
「なんだそりゃ!まったく何やってんだお前ら」

部長は呆れたようにため息をつく……

「いいのか、このままで?」

良くない。よくないけど──
仕方ないじゃないですか?

拒否されて連絡も取れないんだから

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