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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第6章 素直になれなくて……
俯く私にゆっくり部長が近づいて来る。
すぐ目の前に来て腕を捕まれた!
へ?部長…なっ、なんですか?
「離して下さい」
「何度も泣かされて、いい加減目を覚ませ」
ギュッ──へ?、部長…
掴んだ腕を引き寄せられて─
今私は部長の腕の中。
「……離、して下さい」
「ダメだ、離さない」
やめて、お願い離して!
なんでこんなことするの?
私が弱ってる時に……やめてよ。
スーツの上着を掴んで離そうとするのにますます腕の力を強めてくる。
「離して下さい、誰かが来たらどうするんですか」
「宮下…………」
「俺んとこに来い」
「……え?………なに、言って…」
こんな時に悪い冗談。やめてよ!
「こんなこと冗談で言えるか」ギュッ
部長の腕はますます強くなり私を離さない。
「俺が諦めようとするとお前が泣くから…いつまでも俺はお前から抜け出せない」
「お前、俺の気持ちに気づいてんだろ?」
「………//」
〝もうお前の涙を見たくないんだよ〟
「だから…」
「俺んとこに来い。お前が好きだ」
グスッ─グスッ─
突然の告白。
部長の気持ちにはずっと…気づいてた!
気づいてたけど、今までの関係が壊れるのがイヤで気付かないフリしてたのに……
言わないでよ…
今の私にそんな告白はダメ。
心が折れそうで部長に頼りそうになるから──
「宮下、どうする?」
これが最後だ……
決めろ!
「彼氏からの連絡を待ってるだけなら、連れて帰って俺の女にする」
「グスッ─そんなこと、言わないで─」
鏡也君を忘れるなんて──
出来ないよ……