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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第6章 素直になれなくて……
部長の気持ちは嬉しいけど─
「ごめ、なさぃ…きょうや、くっ、が好きなの」
ヒックヒック、ウッ、ウッ、グスン
ごめんなさい、部長…ごめんなさい!
いつまでも泣いてる私に─部長は呆れたみたい
大きなため息をついた。
「もう泣くな、お前の気持ちはわかったから」
ヒックヒック
「フッ……最初から分かってたよお前の答えは」
***
あの時は思いがけない告白に戸惑ったけど!
でも部長は私の答えを分かってたし……
きっと部長なりに私の背中を押そうとしてくれたんだと思う。
〝ふ~んやっぱりか〟
えっ?翔太さんは何かを考えるように顎に手をあてニヤリと笑ってる!
「あの~部長から聞いてたんじゃ……」
「いや聞いてない」
は?えっ?どういうこと!
「いや佳祐のヤツさ、ずっと様子がおかしかったから何かあったとは思ってたんだけど─」
「俺が聞いたって教えてくれなくてさ」
やだ翔太さん!私にカマを掛けたの?
言わなくていいこと喋っちゃったじゃない。
「ごめんごめん」
「さすがの佳祐も葉瑠ちゃんにはお手上げだったか…そうかそうか、笑えるな」
ちょっと翔太さん!…
私が口を滑らせたなんて部長にバレたら……
アハハハ─
「佳祐には黙ってるから心配しなくていいよ」
も~私ったら何で喋っちゃったんだろ
今更だけどすっごく恥ずかしくなってきた。
やっぱり断って帰ればよかった。
「さぁ葉瑠ちゃん!ごめんな遅くなって…どうぞ召し上がれ」
「はぃ、ありがとうございます」
せっかく翔太さんが作ってくれた食事…
頂いたら早く帰ろ。
「おいしい」
「良かった、たくさん食べな」