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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第6章 素直になれなくて……

仕事が終わって近くにいるらしい!

嬉しいけど──でもよく考えたら…

ここに来て部長も一緒にいるって分かったら…
また誤解しないかな?

部長や久美子さんに言われて座ったはいいけど…
もう気になって!

それからお店の入口が開く度にソワソワ
「そんなに気になるのか?」
え…あ、いえ─
私が落ち着かないから笑われちゃった。

あっそうだ外で待ってよう!
鏡也君が来たらそのまま帰ればいいんだから…


「そろそろ来るかな?私外で─」─カチャ
「ほらっ来たわよ」

え?……あっ鏡也君…残念、遅かった~。
もっと早く出れば良かった!

「葉瑠…」
鏡也君は私の顔を見てにっこり…

「鏡也…久しぶりね」
「あ~悪かったな久美子。驚いたよ葉瑠と一緒にいるなんて」

「えっと鏡也君……帰ろ」

今がチャンス。
ツンツン──
部長がトイレに行ってる隙に帰ろうと袖を引っ張り帰りたいアピール。

ねぇ鏡也君…早く!
「じゃ、帰るか?」うんうん帰ろ。

久美子さんと翔太さんにサヨナラして、鏡也君の背中を押しながら入口へ……

すると後ろから部長の声が──
「宮下、俺に挨拶もしないで帰んのか?」あっ!

その声に当然鏡也君も振り返るわけで…

「………!?…あっ」
「─ですよね?─アハハ」

鏡也君…部長を見て停止、それから視線はゆっくり私に向けられる。

ブンブン、違いますよ!鏡也君…
これには事情がありまして……


「鏡也─ダメよ誤解しちゃ」久美子さん……

私と藤堂さんがここへ来たら偶然、宮下さんに会ったのよ。──久しぶりだから一緒に飲みましょうって私達が誘ったの。

コクコク

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