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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第6章 素直になれなくて……
「翔太さん、無くなっちゃいましたお酒」
カウンターで他のお客さんの相手をする翔太さんに空の瓶を手渡した。
「え…もう?」はい!
翔太さんが私に聞いてくる。
「何かあったの?」
……さぁ~。
もう説明するのも面倒だから聞かないで下さい。
「翔太さんお酒まだですか?」
「えっと葉瑠ちゃん、軽めの作ってやるからそこ座ってな」
翔太さんに言われて座ったはいいけど、後ろが気になって仕方ない。
聞き耳をたてると、久美子さんの元カレの話でなぜか盛り上がってるように聞こえるんだけど…
部長が元カレを貶すから、そんなことはないって二人が応戦。
もうっ……その元カレの今カノは誰よ!
あ~イライラする。。
部長が余計な事ばっかり言うから……
遠くから部長を睨んでいると私の視線に気づいたのかこちらを見てニヤリと笑った。
あっヤバ!
すぐに視線を外して向き直った。
コトン「はいどうぞ、今日はこれでやめときな」
「葉瑠ちゃんの彼氏カッコいいね!そりゃ佳祐も勝ち目ね~わ……彼モテるだろ?」
ボックス席の様子を見ながら翔太さんが話し掛けてきた。
カッコいいしモテるけど──今は〝そうですね〟なんてニコニコする気分じゃないの。
ゴクゴク─はぁ~
(アハハハ、そんな事もあったな)
(そうよみんなで大笑いしたじゃない)
フン──
いつの間にか昔話で盛り上がって笑ってるし……
いつまで喋ってるの?
私の事忘れてるでしょ?鏡也君…
私ひとり蚊帳の外。なによもうっ
はぁ~
こんな事でイライラする私が…子供なの?…