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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第6章 素直になれなくて……
酔っぱらった女の子がフラフラしながら歩いてたら、みっともないよね。
もう自分が情けなくて涙が止まらない…
グスッ……私、なにやってんだろ。
そのままソファに横になった。
眠りたくて眼を瞑るけど…瞑ったとたんに身体が大きく揺れてまた気分が悪くなる。
はぁ、もう最悪!
そういえば部長や久美子さんに挨拶もしないで帰って来ちゃった─感じ悪かったよね、私
鏡也君はまだ話してるのかな……グスン
暫くすると、だんだんと意識が遠くなる。
ガチャン───
遠退く意識の中で感じる人の気配──
きょうや、くん…なの?
****
葉瑠が突然バッグを掴んで外に出て行った。
なに?どした……
「葉瑠─?」
慌てて追い掛けたけど葉瑠を乗せたタクシーは行ってしまった。
俺は訳がわからず立ち尽くすだけ。
「鏡也…どうしたの?」いや、わかんね。
店からは藤堂と久美子……それとマスターまでが心配そうに顔を出す。
するとマスターが
「葉瑠ちゃん、気持ち悪いから帰るって言ってたけど…」
えっ、気持ち悪い?
「アイツずっと飲んでたからな…顔、真っ青だったな」
藤堂までもがそんなことを………ずっと?
話に夢中になって葉瑠の様子を途中から全然見てなかった。
それに顔色が悪いのも…気付かなかったよ。
俺帰るわ!
「あっちょっと待った」
店に戻ったマスターが幾つも紙袋を持ってきた
「葉瑠ちゃんの忘れ物」
へ?葉瑠の買い物した荷物らしい。
こんなにたくさん──
きっと真っ直ぐに家に帰るはずだ、早く行ってやらなきゃ。