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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第6章 素直になれなくて……
───///
漸くタクシーを捕まえて家路を目指す!
何度も葉瑠に電話をしたけど呼び出し音が鳴るだけだった──

気分が悪いなら電話で会話するなんて出来るわけないけど…
それでも出てくれたら……

きっと怒ってるよな─
気分悪いのに〝まだ飲んでていいよ〟なんて言われたら──

俺ってほんと無神経だよな!

藤堂は俺らとずっと話してたのに、葉瑠の事を見てたって事か?

でもだったら〝もう飲むな〟って止めてくれりゃいいのに…


……いや違うか。
人のせいにするなんて最低だ!

「あ~失敗した」

もうマンションはすぐそこ。

葉瑠は部屋にいるはずだけど……

帰ってるよな?

頼むから居てくれよ──


タクシーを降りると…落ち着かなくて自然と早足になる!

ガチャン、
ん?あれ、鍵が開いたまま。

勢いよくドアを開けると玄関にヒールが脱ぎ捨ててある、部屋の照明も点いたまま─

帰ってる、よかった!
取り合えず無事に帰って来たみたいでホッとした。

カチャ
「葉瑠ぅ?」
リビングのドアを開けると葉瑠は洋服のままソファで眠っていた。

そっと近づき顔を覗くとやっぱり顔色が悪い。

ごめんなひとりで帰らせて…
これじゃ迎えに行った意味がなかったな!

「葉瑠…ベッド行こ」
抱き上げようとすると手を払い除けられた。

「触、らないで」え?葉瑠…
「気持ち悪い…ほっといて」

あっごめん。

暫く落ち着くまでここで寝かしてやろう。
葉瑠に毛布を掛けて、目の前に腰を落とした。

こんなになるまで飲んで──

葉瑠…ごめん
もし誤解があるなら謝るから。

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