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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第6章 素直になれなくて……
クスッ「これ誰にあげるの?」
まったく素直じゃないんだから!
「───それは」うん、それは?
必死に考えてるな……眼が游いでる。
「それは~ぶっ、部長」はあ?
なんで藤堂……!
考えた答えがそれか?
勢いに任せて言ってるのは分かるけど…
でも藤堂の名前を出すのが気にいらない。
「へぇ~アイツにねぇ」
「そっ…そうだょ」
じゃあ間違って俺が持ってきたとでも言うんだな!
久美子に嫉妬する葉瑠が可愛いなって思ってたのに…強情だな!
「そうだよな、パンダのボクサーパンツなんて俺の趣味じゃね~し!良かったわ俺のじゃなくて……」
「………へ?…ぅ……グスッ」
「じゃあ返して来てやろうか?」
アイツのマンションなら覚えてるから。
行く気なんてさらさらないけど、葉瑠が意地を張るから──
「……いぃょ、行かなくて…私が、渡すから」
「…それほんとに藤堂にあげるの?」
「……グスン…///そ、ぅだよ」
「あっそ!」
いつまでそうやって意地張ってるんだよ。
葉瑠がムキになるから、俺だって頭にくるだろ
あぁ~まったく、イラつくな。
「じゃもう着替えてベッドで寝ろよ」
「………//」
葉瑠は俯き唇を噛んだまま動こうとしない。
「葉瑠、ほら早く」
しぶしぶ立ち上がり寝室に向かうけど、まだ足元がフラついてる。
いつもなら、こんなときは葉瑠を抱き上げてるけど……この時はそれが出来なかった。
イラついたままベッドに入り葉瑠に背中を向けるように横になった。
こうやって背中を向けてたら、きっと葉瑠は困ってすり寄って来るはず!
グスッ……ウッ、
ほらっもう泣き出した。