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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第6章 素直になれなくて……

慌てて部屋を出ようとするから、腕を掴んでひき止めた。
「葉瑠…昨日の事怒ってるんだろ?」

葉瑠はまた俺から眼を逸らす。
ギュッ─

「なんで、逃げるの?」
「逃げてなんて……」
逃げてるよ、さっきから俺の事見ないだろ?
「……」

風呂だって飯だっていつも待ってるのに─

俺が葉瑠を怒らせといて、こんなこと言うのは可笑しいかもしれないけど……
思ったことはちゃんと言ってほしい…

反省したんだよ。
「葉瑠…ごめん、俺が悪かったよ」
「……//」

お願い機嫌直して…

葉瑠は黙って俯いたままだ。
「言いたいことあったら言ってくれていいよ」

……俺、これ以上葉瑠に避けられたりするの堪えらんない!

バカでも、おたんこなす!でもなんでもいいよ…
ちゃんと聞くから…

反応を見ながら葉瑠の言葉をジッと待ってると、漸く重い口を開いてくれた。


「洋服や下着は鏡也君のために買ったの」

最初は買うつもりじゃなくてただ見て回ってたんだけど、鏡也君に似合いそうなシャツがあって……出張もあるし新しいの着て欲しいなって思って─


「元々……私が、勝手にヤキモチ妬いて…飲み過ぎたのがいけないんだけど……」
でも…面白がって笑ったりするから……

葉瑠はそう言ったきり俯いてしまった。
肩を震わせ必死に涙を堪えてる……

分かってるよ!
俺がふざけたから素直に認めるのが悔しくなったんだろ?
それで、藤堂の名前を……

葉瑠の気持ちは分かってたのに俺があんな事言ったから──

(パンダのボクサーパンツなんて俺の趣味じゃね~し!良かったわ俺のじゃなくて)

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