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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第10章 俺の大事な天然娘

私達の視線に気づいたのかな、振り向いたその人は……そこそこのおじさんだった。

あ~もうっ!
クククク………そんなに笑ったら失礼だよおじさんに。
「……四半世紀前のイケメンだな」

もういいよ!フン──
なんでこうなっちゃうの

いつまでも笑ってて………まったく面白くない!

窓際に頬杖付いて外を眺めていると鏡也君の手が伸びてきた。

小さく笑いながら手を握ってくる。
「あっ、ちょっと、勝手に握らないで下さい…」

「クスッ…じゃ、握ってもいい?…………いいの?」
「勝手にすればいいでしょ」

クスッ…じゃ遠慮なく!

私の手を引き寄せて唇を押し付けたりして──
ハァ~!もう、やんなっちゃう!
そこでどうしてダメって言えないんだろ。

クスッ…
「奈緒美さんは今じゃその辺にいる普通のママさんだよ」

うそ、何よ今更……

「葉瑠の方が数倍美人だし、憧れてたのは小学校まで!今は兄貴の嫁さんとしか思ってないよ」

美人じゃなかったとしてもマドンナ的な人なら性格は良いだろうし絶対私と比べるでしょ。

はぁ~なんか気が重くなってきた……

これから鏡也君のお家に行くのに…
私、うまく笑えるかな?

「葉瑠、なに考えてるの」
へ?ブンブン、な、なんでもないよ。


──////
鏡也君のお家に到着!

ここまで来たらどうしようもない。
笑って誤魔化すしかないな!


「ただいま~」
「こ、こんにちは~」パタパタパタ
ん?スリッパで走る音

「あらっ来たの葉瑠ちゃん、さぁ入って入って」
「親父は?」

「タローとハナコを散歩に連れてったのよ」

散歩?ゴルフじゃなかったの?

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