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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第10章 俺の大事な天然娘
「もう帰ってくると思うけど」
え?もう帰って来るの?
ちょっと私、まだ心の準備が出来てないよ。
もう…鏡也君…話が違うじゃないの!
ゴルフとか言ってて──
「たまにはタローとハナコの面倒見て貰わなきゃ、外に行きたくて大騒ぎなのよ………」
そうだよね、犬もお家にばっかりいたらストレスがたまっちゃうからね。
お兄さんは家族サービスで忙しいだろうし、お父さんも大変だね。
お母さんが淹れてくれた珈琲を飲みながら3人でお喋りしてると、リビングの壁にある大きなパネルに目が止まった。
「あっ、あのパネル」
「あ~覚えてる?」もちろん!
北海道のアウトレットで見たCDジャケット。
小さな男の子と女の子手を繋いでるのが可愛くて目が離せなかった……
鏡也君が企画したって言ってたけど…
大きなパネルにして実家に飾るほどお気に入りなんだね!
バタンッ…………「ただいま~」
「あっ、親父だ!帰って来たな」
お父さん?─帰って来たみたい、勢いよく玄関が閉まる音がした。
リビングのドアに身体を向けて背筋を延ばした。
はぁ緊張する!
たくさん話してお父さんとも仲良くしなきゃね。
ガチャ!
あっ来た「こんにちは─お邪魔してます。宮下葉瑠です」ニコッ。
「あ~葉瑠ちゃんかい?よく来たね…」
優しそうなお父さんだけど
なんだか相当疲れた顔してるよ……
すぐにソファに腰掛けて大きく息を吐いた。
「散歩に連れてったんだって?」
「あ~公園までな…でも参ったよアイツら疲れ知らずで着いてくのがやっとだよ……」
それはそうでしょ──広い公園で散歩なんて嬉しくて飛び回っちゃうよ!