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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第15章 小さな嘘
カランカラン
急いで来たつもりだけど遅くなっちゃった。

「ヒロちゃんごめんね~」
「あ~大丈夫だ、まだそんな忙しくないし」

ヒロちゃんの言う通りお客様は疎らだった。
良かった。
さて溜まった洗い物から片付けよう……

あっそうだ、忘れないうちに……
「ねぇヒロちゃん、私…もう少しバイトの時間増やしちゃダメかな?」

もうちょっと、お小遣い稼ぎたいんだよね…

鏡也君へのクリスマスプレゼントにおカネ掛けすぎちゃって…
それでもひとつランクを落としたんだけど。

私はどうせ暇だし…
鏡也君も忙しくて毎日遅いから、どうだろ?…

「う~ン……それは嬉しいけど…鏡也がな…」

うん、そうなんだけど……
私が話してみるから

鏡也君さえオッケーなら…いいよってヒロちゃんは言ってくれた!

ブツブツ言われそうだけど帰ったら聞いてみよ。


疎らだった店内も時間と共に賑わってくる。
いつもの週末……

忙しいんだけど、休日前ともなると顔馴染みの常連さんが多くなるから結構楽しいんだよね。
忙しいと手伝ってくれるし……

(すいませ~ん)は~い今行きま~す!
これ運んでから行くからちょっと待ってね~。


「ヒロちゃん♪ビール…………あの…」
「……はあ?!……」
「………ぁ、自分で、やります」
ウフフ、ごめんね!
忙しい時は常連さんは基本セルフだから…聞こえても動かないのヒロちゃんは……

勿論、気のしれた相手だけだよヒロちゃんがこんな態度をするのは。


鏡也君は今頃実家で夕食かな?
太郎君と華ちゃんに聞けたかな…

お願いしますよ鏡也君!クス、

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