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第15章 小さな嘘

「鏡也、お前……浮気してたな」
「「「─え？」」」ブホッ………ｺﾞﾎﾞｯｺﾞﾎﾞｯ

─うそっ！？─
洋子さんもそう思ったみたい…私と眼が合った。

「ち、違がっ。ｺﾞﾎﾞｯｺﾞﾎﾞｯ」
「─なんつって！アハハ、冗談」

ちょっとヒロちゃんやめてよ！

「ｺﾞﾎｯｺﾎｯ…俺が浮気なんてするわけね～だろ」

そうだよ～ビックリした。
やっぱり人違いでしょ？

「鏡也、お前…焦りすぎじゃね？」
「そ、そう？そんなことないと思うけど……」

「誰と会ってたんだ？え、鏡也」
やだヒロちゃん、そんな意地悪な顔して

もう勘弁してあげてよ！ｳﾌﾌﾌ
みんなも笑いながら二人を見てたんだけど……

「あ～そうだ！思い出した…それって兄貴の嫁さんだ」

えっ…奈緒美さん？……人違いじゃなかったの？

鏡也君がね…太郎君達に会いに行くって電話したんだって……
そしたら奈緒美さんが買い物に出るからって車で迎えに来てくれたらしい！

なんだそうなの？

「ほんとかよ～？」ﾆﾔﾆﾔ
「ほんとほんと、忘れてただけだから」

「「「………！？ 」」」

一瞬気まづい雰囲気！
ヒロちゃんは山本さんになにか合図を送ってる。

「な、なんだぁ紹介してほしかったのに残念」
山本さんが焦ったように喋りだして……

そしたらヒロちゃんも
「………あのなぁその美人が独身だったとしてもお前と付き合うわけね～だろうが」

「だよな～ｱﾊﾊ」

ヒロちゃんの返しで場が解れて良かったんだけど
変な空気になったでしょ～よ。

「あ、あの葉瑠？」
鏡也君が小さな声で私に耳打ちをしてきた。

「─嘘じゃないから」
あ、うん！