この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第15章 小さな嘘
あ~葉瑠…あのさ……!
「ん?な~に」
「あ、いや、兄貴達の事なんだけど、最近、ちょっと、いろいろあるみたいで…」
「……ふぅ~ん」
実は今……ちょっと…喧嘩してるみたいで─
あ、そんなに深刻ってわけじゃないんだけど…
兄貴が仕事で毎日帰りが遅いらしくてさ…
休みの日も会社行くって出掛けちゃうから……太郎や華子も寂しがってるらしいし……
それで、ちょっと…
奈緒美さんがイライラしているっていうか……
あ、でもきっとすぐまた仲良くなると思うから
うん、大丈夫だと思うんだけど……
「…………」
「葉瑠聞いてる?」
膝の上で、俺に凭れたまま動かないけど……
あれ、寝てる?
「ん?…ぁ…聞いてる、大変…だよね」
「聞いてた?」
「ん?うん…聞い、てた、大丈夫だょ」
そう?じゃいいけど……
葉瑠はどう思う?
俺も毎日仕事で帰り遅いじゃん
奈緒美さんのように葉瑠もそのうち……不満が爆発するかな?
「…………///」
葉瑠?あれ…やっぱり……
急に葉瑠の体重が俺に掛かったと思ったら
もう寝てんじゃん。
〝…きょぅ、やくぅん…〟
ん…?………寝言?!クスッ
葉瑠は俺にピタリとくっ付いて気持ちよさそうに眠ってる。
フッ─俺の話聞いてたか?
聞いてね~よな!
ま~それだけじゃないんだけど─
暫く様子を見ないと──
葉瑠をベッドに運んでやっと一息。
可愛い寝顔を見て薄暗い天井をボーっと眺めていた。
はぁもうすぐクリスマスだっていうのに兄貴は何やってんだよ。
忙しいのは分かるけど……
俺も気を付けなきゃな。
葉瑠も寂しい想いしてるだろうから