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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第16章 胸騒ぎのワケ

〝なんかあったら、いつでも電話していいから〟

〝ん?─いや、言ってなぃ…葉瑠なら大丈夫だから気にしなくていいよ〟

ドクン………ドキドキ
「………!?…」

なんか急に胸が締め付けられるように痛くなった。

私の何が大丈夫なの?
気にしなくていいって……なに?

鏡也君が女の人にこんなに優しい言い方するなんて……はじめて聞いたよ。

〝あ~じゃ~またね〟ピッ。

はっ!そこで、ふと我に返った。

いけない私何やってんだろ!
一瞬、頭が真っ白になってどうしたらいいか分からなくなった。

ガチャ………「あっ………」
「え?葉瑠、帰ってたの?」

急に寝室のドアが開いて鏡也君が出て来ちゃった!

私はドアの前で立ち竦んだまま…
え、あっ、えっと
「た、たった今帰ってきたとこ」
「なんだ、ビックリした、気付かなかったよ」

「そ、そう?……鏡也君、どう熱は?、顔色は良さそうだけど」

動揺を隠すように慌てて言葉を探して喋り出した……

「ん?、熱……測ってはないけど、だいぶ楽になったから下がったかも、それより帰ってくるの早くね?」

「あ~うん…ヒロちゃんが今日はもう帰っていいからって」

「あとこれ……帰ったら食べさせてやれって……作ってくれたよ」

袋に入ったタッパーを出して鏡也君に見せてあげた…

「た、食べる?」
「あ~うん、じゃ少し貰う」じゃ待ってね。

鏡也君の横をすり抜け急いでキッチンへ向かう。

後から入ってきた鏡也君に背中を向け、私は何事も無かったかのように作業に取り掛かった。

鏡也君は気になるけど心臓がドキドキして私は振り返る事が出来ないでいた。

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