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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第16章 胸騒ぎのワケ

「あのさ、その日行きたいところがあるんだけど付き合ってくれない?」
「なに、どこに行くの?」

「クリスマスの発表会……みたいな感じかな、凄く小っちゃいけど」

発表会?クリスマスの──

クラシックかな?
でも鏡也君と行けるならなんでもいい。

「忙しいんでしょ…仕事は休めるの?」
「なんとかして休もうかと思って」

鏡也君……私のために?
ムリして休んで連れて行ってくれようとしてるの?

嬉しい!

「うん、いきたい行きたい!連れてって」
そお?良かった!

「じゃ後で奈緒美さんに連絡しとくよ」

え?──なんで奈緒美さんに……
どういうこと?

「その日さ、太郎と華子の幼稚園のクリスマス会なんだって」

幼稚園のお遊戯会。
子供たちが歌ったり踊ったり……家族の前で披露するんだけど……!


それは分かるけど、なんで私達まで?

「………兄貴も行く予定だったらしいんだけど仕事で行けなくなったみたいでさ」

太郎くんと華ちゃんが楽しみにしてたんだって!

お兄さんが忙しくて毎日帰りが遅いから太郎達とはずっとすれ違いの生活だったみたいで……

「二人とも凄くガッカリしててさ、華子はずっと泣いてるし…なんか可哀想になっちゃって」

「もしかして…それで喧嘩したの?」
「それが原因ってわけじゃないんだけど、きっかけになったっつ~か……」

なにそれ……ハッキリしない言い方。

それで鏡也君がお兄さんの代わりにクリスマス会に行こうって事?……

「頼まれた訳じゃないんだ、俺が行ってやろうかなって思っただけで」

「…………そ、そうなんだ」

私の……ためじゃ無かったんだね!

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