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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第17章 募る不安

いつも遅い時間に……電話してるの?
仕事、忙しいんじゃないの……
お兄さんの事はもう解決したんだと思ってたけど
そうじゃなかったって事?
「………ちゃん、おねえちゃん」え?
あ、ごめんなに?
後ろの会話に気を取られ華ちゃんの話を聞いてなかった。
「ママたちは、おゆうぎしつにいくんだよ」
「そ、そうなの……わかった」
子供達は教室へ
保護者はお遊戯室で待機するらしい。
「葉瑠、こっちだって行くよ」
「……//」
今は余計な事考えたらダメ。
ブンブン……
お願いだから頭から消えて……
思いを振り払うように大きく頭を振った。
「葉瑠どした?」
「葉瑠ちゃん?……」
ううん、何でもない。
──//
「すげ~、みんな気合い入ってるな」
広いお遊戯室には大勢の保護者達。
綺麗に並べられた席は後列が少し空いているだけ…
その周りを囲むようにパパさん達が三脚を立てビデオをセッティング─準備に余念がない!
「よし俺らも準備しよう………」
全体が見える場所を確保して鏡也君は三脚にビデオをセットして…
今は奈緒美さんに使い方を教わってる!
「録画はこのボタン、ここを押すと写真ね」
「ほ~今どきのビデオは写真も撮れんの?すげ~じゃん」
〝じゃ、ちょっと練習〟ピッ……
鏡也君はそう言うと録画ボタンを押し、ビデオを奈緒美さんに向け焦点を合わせた。
「奈緒美さん、こっち向いて笑って」
「え?…やだ、私は撮らなくていいわよ」
「練習だよ失敗したら困るだろ?」
パシャ
「ちょっと…やだっ、もぅ~…やめてったら」
「なんだよ、いいじゃんこれくらい、アハハハ」

