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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第17章 募る不安

そこまで言うつもりじゃなかったけど…
一言喋ったら止まらなくなった。
「…あっそ…分かった、じゃ先に帰るから」
とうとう鏡也君を怒らせちゃった……
イライラしたような態度で、そのまま行っちゃった
鏡也君の背中がどんどん小さくなる。
それを見てたら……
やだ、涙が溢れて止まらなくなった…
「グスッ、バカッ……」ウッ、グスッ
泣きながら、あてもなく歩き続けた。
なんでこんなことになったんだろ。
今日は楽しい気分のまま終わるはずだったのに…
あの日、鏡也君が早退した日に偶然聞いた電話の内容が頭に浮かんでくる…
ずっと気になってたけど考えないように頭から消してたのに……
(俺が兄貴に話すから…奈緒美さんは何も言わなくていいよ!葉瑠の事なら大丈夫…気にしないでいいから)
私がバカで鈍感だから、簡単に誤魔化せるって事なのかな?
やっぱり鏡也君は………奈緒美さんの事を……
奈緒美さんは鏡也君の初恋の人だもの…
また好きになったって不思議じゃないよね。
だとしたら……私は
ううん、そんなはずはないよ!
鏡也君はいつも私を大事にしてくれるし、愛してくれたもの。
私の勘違いじゃないよね?
こんなこと考える自分が嫌
でも、不安で……どうしでも考えちゃう。
スグッ、グスッ……ウッ、ウッ
嫌だよぉ、鏡也くん……
///
ポツ……ポツ……ぁ……雨
こんな真冬に、ひとりで公園のベンチに座って泣いてる奴なんて…バカだよね!
でも誰も近寄って来ないから良かった。
このくらいの雨なら熱くなった頭を冷やしてくれるから、私にはちょうど良かったよ!

