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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第17章 募る不安

洋子さんは私のバッグと…濡れて重くなった洋服を鏡也君に押し付けた。
「ほら、出てちょうだい」
私は半ば強制的に外に出された!
そっか、まだお客様もいるし…お店の中でゴタゴタされても困るよね。
「葉瑠ちゃんここで待ってて、いい?動くんじゃないわよ、鏡也君ちょっと……」
鏡也君は洋子さんに呼ばれてお店の中に逆戻り
私はひとりお店の外に残された。
あっもしかして鏡也君は洋子さんに御説教されるのかも……
〝私を置いて帰るなんて冷たい〟って言ってたし
びしょ濡れで帰って来ちゃったから…
後できっと鏡也君にバカにされる。
〝ほらっ、だから言っただろ〟
帰ったら今度は私が御説教されるんだな…
鏡也君の顔は見てないけど雰囲気で分かったもん、凄く怒ってるって。
怒られたって……いいけど
ふぅ~。
外の風にあたってたら急に身体が怠くなってきた…
頭も重いし張り切り過ぎたかな疲れちゃった。
クシュン……クシュン、ズルズル
外はこんなに寒いのに身体は熱くて顔が火照る。
壁に凭れて眼を閉じると頭がグラグラ揺れてきた
あ、ヤバいかも!ズズズズ
まだ?早く来てよ……立てなくなっちゃった。
私、どうしちゃったんだろ?
ガチャ
「ん?え、キャー!葉瑠ちゃん」
ガタン「…なに?…はるっ!」
洋子さんと鏡也君の声……やっと来た。
話長すぎだよ。
疲れちゃったじゃん。
力が入らない。
〝葉瑠ちゃんしっかりして……やだ、すごい熱〟
〝バカ、なにやってんだよ〟
遠くなる意識の中で聞こえた鏡也君の声……
わかってるよそんなの……
どうせバカだもん……私

