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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第17章 募る不安

「………///」
暫くすると諦めたようにスッと葉瑠の力が抜けていった。
「前に、奈緒美さんから兄貴の事で相談されたんだ」
ここ最近急に兄貴の帰りが遅くなって休みの日も家に殆どいないし、もしかして浮気してるんじゃないかって疑ってて……
そんなわけないって言ったんだけど
確かめようと兄貴に電話ても、忙しいらしくてなかなか話せないし……
「葉瑠に黙ってたのは、兄貴と話が出来なかったから…奈緒美さんの話だけで確信もないのに適当な事言えないだろ?」
ハッキリしたらちゃんと話そうと思ってたんだよ…
なのに……その前に喧嘩して奈緒美さんが家を出たなんて言うし……
ほらっお袋から電話があった時。
最初に俺がハッキリ言えばよかったんだけど
もし、それがほんとなら身内としてやっぱ恥ずかしいし…言えなかった。
葉瑠に話す前になんとかしなきゃって
たまに電話で奈緒美さんの愚痴を聞いてやってたんだよ。
電話してるっ言うのはそんな理由…ほんとごめん……
「騙してた訳じゃないし、俺が奈緒美さんとどうとか…そんなつもりはこれっぽっちも無いから」
「嘘じゃないよ」
「……」
葉瑠は俺の腕の中でジッと話を聞いてる。
葉瑠、黙ってないで何か言って。
力の抜けた葉瑠の身体を、ただ抱きしめてるだけなんて寂しすぎるよ。
「お兄さんは……何て言ってるの?」
昨日…話してたでしょ?
「あっ、うん!浮気ではなかったんだけど……兄貴さぁ4月から海外勤務なんだって、たぶん4年は帰って来れないんじゃないっかって」
元々、海外に取引のある会社だから、いつかは行く事になるかも…とは言ってたんだけど……

