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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第18章 守るべき人

せっかくだけどヒロちゃんと洋子さんが行った方が…
あ、でもダメだ!
お店はヒロちゃんがいなきゃ…

「ヒロちゃん、24日はお店休んだりとか……」
バタン………カランカラン

勢いよく誰かが駆け込んで来た……
誰?…そんなに慌てて

「「……ぁ」」
なに、まだ仕事の時間でしょ?

なんでここに鏡也君が……

「悪いヒロちゃん、葉瑠をちょっと借りるけど」
「…ぇ、お、おう……」

「葉瑠行くよ」
なによいきなり…
ちょっとぉ…行くよって、どこへ?

コートとバッグを持たされて私は外へ連れ出された!

「鏡也君、どこ行くの?」
「………いいから」

私の腕を掴んで早足に歩き出す。

店の近くにタクシーが停車中。
目的地はもう伝えてあるみたい、私達が乗るとすぐにタクシーは走り出した。

「鏡也君、ちゃんと説明してよ」
「兄貴と飯食いに行く」え?そんな事で……

何日も休んでやっと今日から復帰したとこなのに
また迷惑掛けちゃうじゃない。

食事するくらいで、何で私まで…
ひとりで行けばいいじゃない。

「兄貴に話があるから…葉瑠にも聞いて欲しい」
「………//」

どうせお兄さんの転勤の話でしょ。

奈緒美さんや子供達の事は任せて…なんて宣言でもするつもり?……

そんなの聞かされたら…
私はどんな顔してればいいの!

「………//」
ギュッ…!?
無言のまま鏡也君は私の手を強く握ってきた。

「そんな堅苦しいんじゃないから」

窓の外はクリスマス一色…
大通りには長く続くイルミネーション。

楽しそうに歩くカップルをこんな憂鬱な気分で見るとは……思わなかったよ。

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