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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第18章 守るべき人
「葉瑠は仕事を辞めて札幌まで来たもんな?」
「そうか、そうだよな~!悪かったな二人とも…俺も、奈緒美に付いてきて欲しいって言ってみようかな?」
「ごめんな葉瑠ちゃん!心配しただろ?…」
グッ…ブンブン
お兄さんが〝ごめん〟なんて言うから…
せっかく止まった涙がまた溢れてきた。
「葉瑠?……クスッ」
鏡也君が指で涙を拭ってくれる。
「安心した?クスッ」うん。コクコク グスッ
クスッ……「ほらっ鼻、チンする?」やだしないよ!
アハハ
「……いいなぁやっぱ」
お兄さんが私達を見てしみじみ。
「なんだよいきなり……」
やっぱり単身赴任じゃ寂しいって!
私と鏡也君を見てたら…そう思うんだって。
でも、そう思ってくれるなら…良かった。
いつの間にか…今まで私の中にあったモヤモヤがスーっと消えていく。
「葉瑠?泣いてないで食べるぞ…せっかく兄貴がご馳走してくれるんだ、温かいうちに食べよ」
「は?俺、そんな事言ったか?…」
「……ダメなわけ?」
「……ん、ま~い~や!ほらっ、食え食え」
凝り固まった緊張が漸く解けてくる。
来る前は不安で仕方なかったのに、今はこんなにも心が温かい。
………///
「じゃあな!今日はありがとう」
「葉瑠ちゃん、鏡也の事…頼むな」
やだお兄さんったら……
鏡也君の事〝捨てないでやって……だって!
「こいつ葉瑠ちゃんに捨てられたら、きっと生きていけないと思うぞ」アハハ
「なんだよそれ」
へ?……そうなの?
鏡也君を見上げると恥ずかしそうに眼を逸らした。
ウフフ
鏡也君の顔がちょっぴり赤いのは
お酒のせいなのかな?