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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第20章 迷子のサンタクロース

葉瑠が俺を見て嬉しそうに笑ってる。
ん?……なに?
クス……「…お腹空いた」

あ~そうだな、俺も腹減った。

取り敢えず店に入ろう。
時間が過ぎてるから拒否られるかもしれないけど…


「すみませんデザートだけでも…」
「あ、いらっしゃいませお待ちしてました。こちらにどうぞ」

「あの、いいんですか?」
「もちろんです。せっかくご予約頂いたのに、このままお帰り頂くなんて出来ません…召し上がって下さい」

予約の時間を大幅に過ぎたのに笑顔で迎えてくれる、おまけに嬉しい心遣いが有り難かった。

「これで少し温まって下さい。お料理はすぐ用意しますので」
「すみませんありがとうございます」

葉瑠の為に温かいスープを持ってきてくれた!
何度声を掛けても一向に店に入ろうとしない客を気にしてくれたんだろ。

葉瑠はスープのカップを両手で包むように握って一瞬の暖を取る。

「あったかい!フーフー…ゴクッ、おいしい!鏡也君も飲む?」
いや、俺はいいよ…葉瑠が飲みな!

「良かったねフランス料理食べられて」

そうだな、もし断られたら今日はコンビニ弁当だったかも

葉瑠は緊張気味に周りをキョロキョロ。
「このお店、ちょっとイメージと違うね」

クスッ……
洋子さんが堅苦しい店じゃないって言ってたっけ!

お洒落な店内は以外にも若いカップルで賑わっている。高級フランス料理なんて俺達には少し敷居が高いと思ったけど、ここは若者をターゲットにしてるらしい…

「乾杯しようか?」うん。

ゆったりとした雰囲気の中
美味しいワインとフランス料理が葉瑠の冷えた身体と心を和ませてくれた…

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