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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第20章 迷子のサンタクロース
仕方ない。
身体を起こして鞄に手を伸ばした。
手を突っ込んでシワの寄った紙袋を引っ張り出した。
「あれっ?これって……」
あ~これな、そうそう
俺が好きでよく使ってるブランド。
こんな高い店で買わなくてもいいのにさ!
ここのはめっちゃ高いんだよ……
兄貴も俺と一緒でお気に入りの店だから気を使ってくれたんだろ…
ま~俺は兄貴の影響で好きになったんだけど……
「これが俺ので、こっちが葉瑠のだって」
開けてみな…
ガサガサ
「あ、ポーチだ、わぁ~可愛い~見てみて鏡也君、かわいいでしょ?…いいのかなこんなの貰っちゃって」
いいんじゃね?
可愛くて葉瑠っぽいし…
そんなに喜んだら兄貴達もきっと嬉しいと思うぞ。
後でメールでもしてやろう!
「鏡也君のは何?」ん、あ~なんだろうな。
ガサッ…俺のは……
「おう、財布だ…いいね」
「え?お財布……ぁ……そのお財布……」
ん、なにどした?
この財布が何かある?
〝あ、ううん…高そうだなって思って〟
ほんとだな、こりゃ高そうだ!
今使ってるのは学生の時から使ってるからもう古いし……しかも兄貴のお下がり。
そろそろ買い換えようと思ってたからちょうど良かったよ。
「葉瑠どう?これ、いいよな?」
「……ぇ、あ~うん、そうだね…」
だよな~いや、マジで嬉しいわ。
本皮で柔らかいし使いやすそうだ。
「ほらっ今使ってるのボロボロでさ…」
改めて自分のを眺めると擦り切れてるし相当年季が入ってる。
「…そうだね……アハハ」
古いのも愛着はあるけど、いい機会だから使わせて貰おう。
早速中身を入れ替える事にした…