この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第20章 迷子のサンタクロース
俺の膝に入って凭れるのはいいけど…
手にはグラスを持ったまま
取り上げようとすると駄々をこねる。
元気になったのは良かったけど飲み過ぎ。
いつの間にかシャンパンのボトルは半分に減ってるし…
急に高いテンションで大笑いしたりして…
これは…完全に酔ってる!
「それでね♪子供の頃にね?カズと二人でサンタさんに御礼を言おうって♪布団被って寝たふりしてた事があったんだけど…」
ガチャ……〝あっ、カズ来たよ〟
〝せーの!〟ガバッ
「「サンタさ~ん…」」
「うわっ!」
合図して布団から出たらね!ウフフ
あれ?………おとうさん?
「ウフフ♪お父さんがプレゼント持ったまま固まってて♪それでサンタさんの正体が分かっちゃったの」
クス……あ~そりゃ親父さん…可哀想に!
「鏡也君は?…いつサンタさんがいないってわかったの?」
え、俺?
俺なんか最悪だったぞ、
とにかくヒーローになりたくてさ…
サンタへのお願いは
『りゅうやにいちゃんになれますように』
歳が離れてるせいか…ずっと兄貴が俺の中でヒーローだったから…
なのに兄貴がさ…
『いいか鏡也、兄ちゃんになりたいってのは無理なんだよ、お父さん達が買える物じゃなきゃ』
『…おとうさんがかうの?』
『……あっ!…ヤバッ』ってさ!
「俺ずっとサンタを信じてたのにさ、酷いだろ?」
「フフッ、それはお兄さんうっかりしちゃったね!…じゃさ、今だったら鏡也君はサンタさんに何をお願いする?…お財布以外に何を貰ったら嬉しい?」
今?… 今は……特に欲しい物ってのはないけど……
あ、でもあった!
「ある?なにが欲しいの?」