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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第25章 幸せの予感

「病院行ってないの?」
大袈裟だよこれくらいの事で…
「や~ね。結婚式があるって言うのに─もし、これから熱が上がってきたら─」
あ~お母さんのお説教が始まった。
これ以上言われないように
話を逸らさなきゃ─
「あ、お母さん今日何か食べたい物ある?」
買い物に行くって逃げ出そう。
もう余所のお家は夕食の準備してるみたい!
どこからか匂いが漂ってくる。
「おかずなら有るわよ、途中で買って来たの」
え、やだ、お母さんだったの?その匂いは─
商店街で美味しそうな匂いに誘われて買っちゃったんだって。
出掛ける理由はなくなったけど、お母さんの話が逸れたから…ま~いっか!
テーブルに次々とおかずを並べるお母さん
またこんなに買って─
うわっ!─私の嫌いなレバーまで
「なんでレバーなの?これはいらないのに」
「鏡也君は食べるでしょ?」
食べないよ~!
食べてるとこ見たことないけど。
レバーのどこが美味しいの?
見ただけで臭いと噛んだ時の感触が甦る─
うぇ、なんか気持ち悪くなってきた
「やだ、そんなに?前は平気だったじゃない」
そうだけど─
今日はやけにレバーの匂いが鼻につく。
でも、そんな事言ったらお母さんに失礼だね、
我慢しなきゃ。
「じゃキッチンに置いとくわね」コクコク
お母さんがキッチンへ行ったのを確認してから─
プハァ─ハァハァ
「鏡也君は今日も遅いの?」ふぅ~!
「─え、ううん、今日は早く帰るって」
いつもは遅いけど今日は特別
ふぅぅ~!
「ちょっと何よさっきから──気持ち悪いの?…」
う、ん…ちょっとだけ…
〝──ねぇ葉瑠、それって─〟

