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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第25章 幸せの予感

「はぁ~!あのさぁ葉瑠…俺急いでんの」

あ、ごめん─
「─帰ったら話聞くから…今は勘弁して、じゃな」
「………」

急いで家を出てエレベーターに乗り込んだ。

夕べは急遽飲みに行ったから、昨日の分を今日明日で終わらせなきゃいけないんだよ。
なのに、遅刻って!
みんなに何て言われるか─

ふぅ~!一息ついたところで─
さっきの葉瑠の顔が頭に浮かんできた。

何か話があったのかな?
そう言えば昨日も─何か言いたそうだったけど

エレベーターが1階に到着。
急いで行かなきゃいけないのに─足が止まった。

このままでいいわけ?

俺が飲み過ぎて起きれなかっただけ…
なのに八つ当たりするような言い方して…あれじゃ
葉瑠が可哀想だったな。

玄関を出るときの寂しそうな顔
このまま仕事に行ったって、きっと仕事は捗りそうにない…

はぁ~!
どうせもう遅刻だし、更に遅れたところでたいして変わらない─戻るか。

ガチャ──

「……ぁ!葉瑠?」
ずっとここに居たの?
家に戻ると葉瑠は玄関で立ったまま

「な、なに、どうしたの、忘れ物?」
頑張って必死な笑顔─

「いや…違うんだけど…あの、さっきはごめん」
葉瑠は悪くないんだから気にしてたら可哀想だ。

「何か話があったんだろ?なに?」

ゆっくりは聞いてやれないけど…
少しくらいなら─
「あ、ううん、たいした事じゃないの」
「でもさ」

「仕事が落ち着いたらでいいよ」
やっぱ怒ってる?

話を聞くって言ってるのに…時間の、有るときでいいって聞かないから…

仕方ない。

今日は出来るだけ早く帰って話を聞いてやる事にしよ…

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