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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第27章 愛しい君に送る100万回のキス
「葉瑠ぅ~お母さん達も帰るわね」
え、後ろからお母さんの声
待ってよ!
着替えてくるから一緒に帰ろうよ。
「夜行バスの時間なんだってさ」
─もうそんな時間なの?
でも、荷物は?
家に置いたままでしょ
「全部持ってきちゃったのよ」
そうなの?
ごめんね、やっぱり日程に無理があったかな
家に泊まればよかったのに…
「新婚さんの家に泊まれないじゃない?」
新婚って言ったって!
ずっと一緒に住んでるんだから今更だけど…
しかもお母さん…この前うちに泊まったじゃない─
「さぁ、母さん行くぞ……葉瑠、身体大事にな!…鏡也君葉瑠の事くれぐれも宜しくな」
「はい、任せて下さい」
「また連絡するからね」うん。
お父さんお母さん、カズもありがとね。
バイバイ、気をつけて帰ってね!
はぁ~!──
ホントにみんな帰っちゃった。
お母さん達の姿が見えなくなると、急に身体が重く感じる…
ふらふらして鏡也君の腕に捕まった。
「どした?」
「ちょっと疲れちゃった」
鏡也君は心配そうに顔を覗き込んでくる。
あ、大丈夫だよ大したことないから
慣れないドレスでずっと立ってたから……
「ちょっと休めば治るよ」
バサッ─あ、あの鏡也君?
急に鏡也君が私を抱き上げるからスタッフさんが慌てて近寄ってきた。
「どうしました?」
「気分が悪いんで控室に連れてきます」
スタッフさんの前で…私はちょっと恥ずかしかったけど、鏡也君は全然平気みたい。
凛々しい姿に…つい見とれちゃった。
「ん?なに?」
あ、ううん。
「ありがとう鏡也君」
クスッ……どういたしまして!