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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第4章 さぁ帰ろう。

「なに言ってるのよ葉瑠ちゃん……」
え?洋子さんこそ……なに言ってるの?
引っ越しじゃなかったら何の予定日?
「予定日って言ったら赤ちゃんが産まれる日に決まってるでしょ」
え?誰の赤ちゃんが産まれるの?
「はあ?葉瑠ちゃんに、決まって───え?─妊娠したんじゃないの?」
やだ……するわけないでしょ?
なんでそんな話になってるの?
どうも話が噛み合ってないと思ったら洋子さんの大きな勘違い。
なんでそう思ったのかな?
「だってこの前電話で様子が変だったし、つわりで吐いたって」
この前の電話……あっ。
そうだあの時、鏡也君のイタズラに声を抑えられなくて大きな声が出ちゃったから……
鏡也君が電話を代わって誤魔化したんだ!
(洋子さん?あっ俺。ごめん葉瑠さぁ今日体調悪くて、吐きそうってトイレに行っちゃったわ)
「やだ違うの?」
「じゃなによあの変な声は──」
いやあれは、その─どうしよう……
なんて言えばいいの?
もうっ鏡也君のせいで──
横目でチラッと鏡也君を睨むと視線に気づいて慌ててこちらにやって来る。
鏡也君のイタズラのせいで洋子さんが勘違いしてるって言おうとすると
「葉瑠、なんで俺に言わないの?」
──え?
「妊娠したんだって?」
「今、みんなから聞いてビックリしたよ。ダメだろそんな大事なことを俺に黙ってて」
「大丈夫か?知らないから引っ越しの荷物運ばせちゃって重いのもあったろ?」
ちょっと待って!
あ~もうっ鏡也君…まで……違うの!
妊娠じゃないから
「え?洋子さんどういう事?」
「あ、えっと…ごめん。みんなも……」

