この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第30章 番外編…マタニティブルー!?
ムスッ(……な・に・も)ん?
あ、しまった!
家でずっと横になってるんだから
テレビを見るか本を読む事くらいしか出来ないよな…
口数の少なくなった葉瑠の機嫌を取ろうとしたって逆効果
(たまには外の空気吸ってさ…)
(散歩でもしろって事?)
いや、そうじゃなくて
ベランダに出て外を眺めるだけでもって、言いたかったんだけど
嫌みを言われたって思ったようだ。
起き上がって片付けなんて始めて……
(俺がやるから)
(いいよ、これくらい出来るから)
こうなったら俺はただ抱きしめてやるしかなくて
(葉瑠、ごめん…嫌味で言ったわけじゃないんだ)
我慢しなくていいから
言いたいことがあったら言って!
話し聞くから─
ウッ、ウッ…グスッ、
やっぱり我慢してたか…唇が震えて涙が溢れ出す。
(いつまで、こうしてればいいの?辛っ、いょぉ)
ヒック、ヒック
(ウン、辛いな)
帰りも遅くて話しも聞いてやれなくて
ごめんな!
──
葉瑠の寝顔を見ながら…2ヶ月間を思い返していた。
「……ンン、きょぅゃくん?」
ん、あっ、目が覚めたか?
葉瑠がにっこりと微笑んでる。
「お帰り」
「うん、ただいま」
「寝ちゃった」
うん、よく寝てたな!
こんなに騒がしい中で煩くなかった?
いつもテレビをつけてたから
気にならなかったらしい
「じゃ帰ろうか?葉瑠」
遅いしタクシー呼ぶから待ってて!
「あ、私…歩きたい」
─でも大丈夫か?
「先生は普通の生活して良いって言ったよ」
……わかった!じゃ、歩こう。
すっかりご機嫌だな。
何事も無かったように歩き出すから、こっちが戸惑うよ。