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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第30章 番外編…マタニティブルー!?

ムスッ(……な・に・も)ん?
あ、しまった!

家でずっと横になってるんだから
テレビを見るか本を読む事くらいしか出来ないよな…

口数の少なくなった葉瑠の機嫌を取ろうとしたって逆効果

(たまには外の空気吸ってさ…)
(散歩でもしろって事?)

いや、そうじゃなくて
ベランダに出て外を眺めるだけでもって、言いたかったんだけど

嫌みを言われたって思ったようだ。
起き上がって片付けなんて始めて……

(俺がやるから)
(いいよ、これくらい出来るから)

こうなったら俺はただ抱きしめてやるしかなくて

(葉瑠、ごめん…嫌味で言ったわけじゃないんだ)

我慢しなくていいから
言いたいことがあったら言って!
話し聞くから─

ウッ、ウッ…グスッ、
やっぱり我慢してたか…唇が震えて涙が溢れ出す。

(いつまで、こうしてればいいの?辛っ、いょぉ)
ヒック、ヒック
(ウン、辛いな)

帰りも遅くて話しも聞いてやれなくて
ごめんな!


──
葉瑠の寝顔を見ながら…2ヶ月間を思い返していた。

「……ンン、きょぅゃくん?」

ん、あっ、目が覚めたか?
葉瑠がにっこりと微笑んでる。
「お帰り」
「うん、ただいま」

「寝ちゃった」
うん、よく寝てたな!
こんなに騒がしい中で煩くなかった?

いつもテレビをつけてたから
気にならなかったらしい

「じゃ帰ろうか?葉瑠」
遅いしタクシー呼ぶから待ってて!

「あ、私…歩きたい」
─でも大丈夫か?

「先生は普通の生活して良いって言ったよ」
……わかった!じゃ、歩こう。

すっかりご機嫌だな。
何事も無かったように歩き出すから、こっちが戸惑うよ。

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