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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第4章 さぁ帰ろう。

頼まれたカクテルをボックスに届けて私はカウンター席に座った。
「葉瑠ちゃんのは今作るから待ってろよ……」
うん♪
私のが出来るまでヒロちゃんとお喋りしてよ。
「ヒロちゃん、お部屋探してくれてありがと」
「鏡也君の条件厳しかったんじゃない?」
ん?ま~な!
「風呂は広くとか駅に近いとか家賃は幾らで…とか、アイツほんとうるせ~から」
やっぱりそうだった?ウフフ、ごめんね!
会話をしながらテキパキと仕事をこなすヒロちゃん。
「で、どうだったんだ……札幌の生活は?」
う~んとね?最初はお友達もいなくて寂しくて…ヒロちゃんに会いたいなぁって思ったりしたよ。ウフフ…
いっつもヒロちゃんは私の愚痴を聞いてくれてたでしょ?──鏡也君が仕事で居ないとお喋りする相手がいないんだもん。
「え?、アハハハ…そうか。そう思ってくれたか」
うん。ニコニコ
私は背の高い椅子に座って足をブラブラ。
両手をカウンターに乗せてヒロちゃんがシェイカーを振る所をじっと眺めていた。
「葉瑠ちゃん?」
な~に♪ヒロちゃん。
「そんなマジマジ見られたら恥ずかしいわ」
だって懐かしいから、いいでしょ?見たって…
そしたらヒロちゃんが
〝それに──ほらっ後ろ見てみ〟
なに?後ろ──あっ!
振り返ると鏡也君がすぐ後ろに立っていて──
「遅いと思ったら、2人でなに喋ってんだよ」
「いや~葉瑠ちゃんがな?札幌は寂しくて俺にすげ~会いたかったんだと」
そうそう……え?
やだそんなこと言ったら鏡也君がまたヤキモチ妬いちゃうでしょ?
「んなわけね~だろ?俺がいるんだから」

