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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第31章 番外編…かけがえのない人

「なに…どうしたんだよ」
「鏡也、葉瑠ちゃんが……」え?葉瑠?─
何か、あった?
ヒロちゃんから葉瑠の名前が出た途端、心臓が今までにないくらい大きく跳ね上がった。
「破水したみたいで、さっき病院に行った」
破水?
予定日はまだだぞ
葉瑠は大丈夫なんだろうか?
「洋子が一緒に行ったから…連絡が来たらまた電話するけど出来るだけ早く帰って来い」
わ、かった。そうだな早く帰らなきゃ。
こんなとこで人に説教してる場合じゃね~よ。
ウィィィ─ン
「なんだここにいたのか鏡也…あ、山下さんも」
俺と山下が戻って来ないから心配して見に来たらしい!同僚が外へ出てきた!
「悪い、俺今から東京に帰るから」え?……
「今からって、お前…」
〝葉瑠が破水して病院行ったんだって〟
「─え、そうなのか?でも─落ち着け、今から行っても乗れるかわかんね~ぞ」
わかってるけど、ここでじっとしてられないから
行ってみる!
こんなことなら懇親会なんで出なけりゃ良かった
さっき電話した時出なかったのは破水したからか?
不安で1人で泣いてたのかも─
急いでタクシーを拾い
ホテルに戻った。
あぁ~!もう、なんだよ。
急いでるのにこんな時に限って
ホテルの部屋はぐちゃぐちゃ、脱ぎ散らかした下着やワイシャツはシワだらけ。
いつもなら片付けてるのに同僚も一緒で油断した、毎晩飲みに連れ出され、そのまま放置してたから
急いでそれをかき集めスーツケースに押し込んだ。
バタン!
チケットもないし、どうなるかわからないけど
急げば最終便には間に合うはず
頼む、どこでもいいから乗せてくれ

