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愛しのキスは蜜の味~sequel【完結】
第31章 番外編…かけがえのない人

こんな夜中にわざわざ迎えに?

「さぁ行くぞ」
「陣痛始まったって洋子さんから連絡が…」
「らしいな」
ヒロちゃんも店を閉めて、病院に行こうとしたらしいけど─
〝ヒロユキが来て何をするの?〟
洋子さんに言われて納得したらしい。

「家で寝ているわけにもいかね~から、しょうがね~迎えに来た」

─そりゃどうも!
ただ迎えに来たって言えばいいのに、
心配で落ち着かなかったんだろ?


──//
こんな時間だ…首都高はガラガラ
ヒロちゃんが来てくれたお陰で病院に早く到着する事が出来た。

「ほらよ、行ってこい!」
あ~!サンキュー、ヒロちゃんは?

「いいのか?俺が行っても?」
「洋子さんを連れて帰ってやって」
疲れたと思うし、後は俺が付き添うから…

「おう、そうだな!」
クスッ…
どうせ帰ったって眠れないだろ?


エレベーターで産科病棟へ向かった。
「すいません、ハァハァ」
「あ~益田さん、良かった間に合って…もうすぐ分娩室に移りますよ」

え?……まだまだじゃ無かったの?
ちょっと待って、まだ心の準備が出来てないよ
なんだかこっちが緊張する。

ドキドキして陣痛室の前で呼吸を整えた
ふぅ~!

「鏡也早く入れよ」
「分かってるって」
よし─コンコン─ガチャッ
「はる?…」

「フゥゥ~フウゥゥゥ…きょぅ、やっく─」

「鏡也君、良かった間に合って」
洋子さんありがとう!

葉瑠は苦しそうな表情で俺に手を延ばしてきた。
すぐに俺はその手を握って頭を撫でてやる!

「葉瑠頑張るんだぞ?」コクン
痛みで会話をするどころじゃなさそうだ。
葉瑠の手を握りしめ俺は洋子さんに視線を向けた…

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