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あの口づけは嘘じゃない。
第3章 2人で会うけどデートじゃない


甘い、甘い匂いがする。女の人が付けるのとは違う、魅力的でどこか危険な香り。

「おっ、お久しぶりです。わっ、わざわざ来ていただいて、あ、ありがとうございます。」

はっきり言って、あり得ないくらい緊張してる。
私服宮下さんの破壊力は予測していたつもりだったのに、私の想像を遥かに越えていた。

白シャツに重ね着で、ワインレッドのニット。黒のズボン。そして…極め付けは黒縁メガネ。

宮下さん、メガネかけるんだ。オフの日だからかな。
小さなことだけど、まだまだ知らない彼の一面を知ることができた気がする。

フレームが大きいものじゃないから、スマートな印象と色気をプラスしていて彼の綺麗な目を見る事が出来ない。

「いえいえ。久しぶりって言うほど久しぶりじゃないけどね。どこいこっか、オススメのカフェあるけどそこで良い?」

「あ、はいっ!ぜひっ、そこで…」

声が裏返る私を見て、宮下さんがふふっと笑う。

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