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あの口づけは嘘じゃない。
第2章 始まり
「大丈夫ですよ。通報なんてしませんから。
私、宮下さんのこと知りたいんです。ダメ…ですか?」
少し首を傾げながら上目遣いで宮下さんに近づいて行く。
「愛菜ちゃん…?からかってる?」
「からかってないです。本気です。」
そう、からかってるつもりはない。
本能のままに宮下さんに迫る私の体は止まらずに、彼の頬に手をかける。
熱い。彼も私も。
「ちょっと愛菜ちゃん、なにしてるの。怒るよ?」
宮下さんの声が低くなったことに気付かないフリをする。
「宮下さんを、知りたいんです。」
そう言って、なにか言おうとした彼の唇に私の唇を重ねた。
キスがしたい。そう思ったのは初めてだった。
本能に突き動かされた私は、もう止まる術を知らなかった。
すぐ離れてしまわぬように、宮下さんをその気にさせるために。
運転席に座る宮下さんの上に跨って、キスを続ける。