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イタズラな満月(フルムーン)
第9章 special moon1…ただ、愛するが故…
拒否でもなく…
消滅でもなく…
エスペラント自身も賭だった。
下手をしたら、世界が壊れ、バランスは崩れ、取り返しが付かなくなる。
そんな事は分かり切っていた。
でも、この2人を信じてみたくなったのだ。
そんな秘密を打ち明けられたのは、後継の儀を終え、カロンが人間界に降りる日のことだった。
「カロン…大丈夫か?」
「平気よ。」
「…無理はするな。…なにかあればすぐに俺は行くから。」
「ループこそ、無理しないで?私は大丈夫。このリングと約束があれば。」
「カロン…」
「…クス、ループが泣きそうな顔してる」
そう言うと、三つ編みに編まれた長い髪をおもむろにカロンはザクリと切り落とした。
「カ…ロン?」
「私の代わりに…置いていくわね。」
そう言いにこりと笑うと目を閉じた。そんなカロンの唇にルーペントは自身のそれをそっと重ねると同時に光の中にカロンは消えて旅立っていった。
消滅でもなく…
エスペラント自身も賭だった。
下手をしたら、世界が壊れ、バランスは崩れ、取り返しが付かなくなる。
そんな事は分かり切っていた。
でも、この2人を信じてみたくなったのだ。
そんな秘密を打ち明けられたのは、後継の儀を終え、カロンが人間界に降りる日のことだった。
「カロン…大丈夫か?」
「平気よ。」
「…無理はするな。…なにかあればすぐに俺は行くから。」
「ループこそ、無理しないで?私は大丈夫。このリングと約束があれば。」
「カロン…」
「…クス、ループが泣きそうな顔してる」
そう言うと、三つ編みに編まれた長い髪をおもむろにカロンはザクリと切り落とした。
「カ…ロン?」
「私の代わりに…置いていくわね。」
そう言いにこりと笑うと目を閉じた。そんなカロンの唇にルーペントは自身のそれをそっと重ねると同時に光の中にカロンは消えて旅立っていった。