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イタズラな満月(フルムーン)
第10章 7th moon…偽りの心
ふぃっと横を向くユトの袖をそっと摘むように掴み、握りしめる雅。
「…何?」
「…フフ…」
「何だよ!…ん?」
「なんでもない。…ッ」
「…そうだ、…あのさ。…さっき謝ったろ、アリス…だけど、…その。」
「何?」
「オレの方こそ…ごめんな?…オレのわがままで…ねじ曲げたって言うか…その。…っだからさ。」
ユトにしては珍しく歯切れが悪い。とはいえ、その様子が、雅にはとても、かわいく見えてしまったのだ。
「…ユト、…私もう言わないから。」
「何をだよ。」
「あんな事、…だからあれはユトの我が儘なんかじゃないんだよ。」
「アリス…」
「それに、あの時、アリスじゃなかったから。…初めて名前で呼んでくれたから。…ありがとう。」
「…何?」
「…フフ…」
「何だよ!…ん?」
「なんでもない。…ッ」
「…そうだ、…あのさ。…さっき謝ったろ、アリス…だけど、…その。」
「何?」
「オレの方こそ…ごめんな?…オレのわがままで…ねじ曲げたって言うか…その。…っだからさ。」
ユトにしては珍しく歯切れが悪い。とはいえ、その様子が、雅にはとても、かわいく見えてしまったのだ。
「…ユト、…私もう言わないから。」
「何をだよ。」
「あんな事、…だからあれはユトの我が儘なんかじゃないんだよ。」
「アリス…」
「それに、あの時、アリスじゃなかったから。…初めて名前で呼んでくれたから。…ありがとう。」