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イタズラな満月(フルムーン)
第14章 10th moon…涙
一方の雅はというと、ユトの居る部屋の前に来ていた。

コンコン
「はい…」
「ユト、……入って良い?」

そう聞くと、少しして戸は開いた。

「どうぞ?」
「ありがと…」

そういい中に入る雅。そっと座り、その横にユトも座る。

「どうした?」
「『どうした』は私の台詞だよ?…どうしたの?何かあった…ッ」

雅が言い終わるが早いか、雅の体はユトの腕の中に抱き締められていた。

「…ユト?」
「…ごめん…少しだけで良いから…このままでいて…お願い…」
「……ッ」

理由は解らなかったが、雅は小さく震えるいつもな強気なユトと様子が違う事に気付き、そっと抱き締め返していた。

「…大丈夫だよ…ユト…」
「…ッ…ズッ…」
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