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イタズラな満月(フルムーン)
第16章 12th moon…愛して、傍にいて
「ユトが…あの子がそう言ったかい?」
「…ん、そうなんですけど…」

何だろうと思いながらもジェーナを見つめた雅。

「本当にユトにとって、アリスは大切な存在になったんだな。…クス」

そう呟きながらジェーナは雅の頭に手を置き撫でた。

「…ジェーナ?」
「アリス…あの子は無理なんてしないから。…泣かせることをしないから。」
「ジェーナ…」
「大丈夫だよ。待とうじゃないか」

そういうジェーナの言葉に顔を上げて優しく笑いかけた雅。

「…大丈夫だよ、私…ユト言ってたから…半日もあれば決断出るからって…」

そう言って部屋に戻る。そこにあったのはユトのパーカー…そっと袖を通してぎゅっと自身を抱き締めた。

「…ッッ…平気なわけ…無い…ユト…」
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