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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第2章 ピガールの麗人
光は舞台の上からその美しい瞳を見張り、信じられないように、縣を見下ろす。
襦袢の襟に掛けた細く白い指が細かく震えた。
「…どうして…あなたが…」
「光さん!」
突然の乱入者に、良いところを邪魔された観客が焦れたように文句を叫び出す。
「おい!そこのにいちゃん、邪魔すんな!」
「マダムバタフライ!早く脱げ!」
その声に光ははっと我に返り、縣から目を逸らすと唇を引き結び、襦袢を肩から滑らせようとした。

「止めなさい!光さん!」
縣は叫ぶやいなや、その長い脚で舞台を駆け上がり、酔客達から光を守るように立ちはだかった。
「ちょっ…!アガタ!何やっているんだよ!」
ジュリアンが慌てふためき、舞台に駆け寄る。

ヌードショーを妨害された観客達は憤慨し、悪口雑言を叫びながら、手にした灰皿やグラスを舞台に投げつける。
「おい!ふざけんな!邪魔すんじゃねえ!」
「何やってんだよ!下がれ下がれ!」
「こちとら金払ってんだよ!馬鹿野郎!」
客席は蜂の巣をつついたような大騒ぎになった。

光は冷たく煌めく瞳で縣を睨みつける。
「邪魔しないで、どいて!」
縣は光に襦袢をしっかりと着せ直すと、自分のジャケットを脱ぎ、包むように羽織らせた。
「とにかく、行こう」
客席から投げ込まれるワインのボトルや様々なものから避けるように、縣は光を抱き抱えると舞台袖に引っ張り込んだ。
「お、おい!アガタ!待てよ」
ジュリアンも慌てて後を追う。

薄暗く狭い舞台裏を、有無を言わさず縣に引き摺られながら、光が抵抗する。
「離してよ!邪魔しないで!」
縣が怒りを含んだ眼差しで振り返る。
「何を言っているんだ⁈君は本気であんなところで裸になる気だったのか?」
縣は光の細い手首を強く握りしめたまま離さない。
「貴方に関係ないでしょ⁉︎放っておいて!」
「放っておけないね。少なくとも君は私のかつての婚約者の従姉妹だ。そんな人がこんないかがわしい店で裸になろうとしているのを、黙って見ているわけにはいかない。…さあ、来るんだ」
縣は少しも歩調を緩めずに、光を引きずるように店から連れ出そうとした。
「余計なお世話だわ!離して!」
二人の激しい押し問答をジュリアンが呆然と見つめていた。








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