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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第4章 エッフェル塔の恋人
アンリエットは堰を切ったように畳み掛ける。
「私はフロレアン先生が好きです!愛しています!…私の両親もフロレアン先生をとても気に入って、絵の才能も認めていて…私は一人娘だから私と結婚するならマレー家を継がせてもいいって。私の父は画壇の巨匠の方々や有名画廊のオーナーもたくさん懇意にしています。…フロレアン先生は私と結婚したら今よりずっと絵を描きやすくなるわ。…に、日本人で、しかも貴女のお父様に結婚を反対されている貴女なんかよりずっと…ずっと!…フロレアン先生は私と結婚したほうが絶対画家として成功する!私はフロレアン先生を幸せに出来る!あ、貴女なんかよりも!ずっと…ずっと!」
縣が厳しい声と表情でアンリエットを制する。
「マドモアゼル、お言葉が過ぎます。ヒカルはずっとフロレアンを支えていたのですよ。自分の身を犠牲にしようとしてまで…」
光が押し留める。
「やめて、縣さん。…いいのよ…」
「しかし…!」
光は静かにアンリエットに尋ねた。
「…フロレアンにその気持ちは伝えたの?」
アンリエットは不意に悲しみの色を瞳に浮かべ、俯いた。
「…お伝えしました。…でも…フロレアン先生は、僕が愛しているのはヒカルだけだと仰って…、私の気持ちは嬉しいけれど、ヒカル以外は考えられないと…」
光の胸が痛む。
アンリエットの言葉にはフロレアンへの一途な愛だけが感じられたからだ。
「…分かっています。…ヒカルさんはとても綺麗で魅力的で…いかにフロレアン先生がヒカルさんを愛していらっしゃるか…そんなことは分かっているの…。私はヒカルさんみたいに綺麗ではないし、垢抜けないし、フロレアン先生に好きになって貰えるはずはないって…。でも…でも…好きなの!フロレアン先生が大好きなの!」
アンリエットがふいに光に取りすがる。
「お願いです!私にフロレアン先生を譲ってください。…ヒカルさんがフロレアン先生から身を引いて下されば、いつかは私に振り向いてくださるかも知れない。…フロレアン先生のことを本当に愛しているなら…フロレアン先生の画家としての将来を思うなら、身を引いて下さい!お願いします!」
光は絶句する。
縣が耐えきれないように2人の間に割って入る。
「やめなさい、マドモアゼル。二人は愛しあっているのですよ。貴女に二人の愛を壊す権利はない!」
…と、その時慌ただしくドアがノックされた。
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