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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第4章 エッフェル塔の恋人
父と別れ、ロッシュフォール家別邸に帰宅した光は、覚悟を決めたように縣の書斎の扉をノックする。
縣は光の姿を見ると、ほっとしたように安堵の溜息を漏らした。
「急に外出したから心配していたんだ。…良かった…無事に帰ってきてくれて…顔色が良くないな。大丈夫?…何かあったの?」
光は黙って首を振る。
そして、縣に小さなメモを渡した。
「…明日の夜9時にここに来て欲しいの」
縣はメモを見て眉を寄せる。
「…ここは…」
光はその琥珀色の澄んだ眼差しで縣を見つめる。
強い光を宿した瞳だった。
「…お願い。何も聞かないで、ここに来て」
縣は光を見つめ返した。
そしてゆっくりとメモを上着の内ポケットに仕舞う。
「…分かった」
「…ありがとう…」
光は寂し気に笑うと、そのまま書斎をあとにした。




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