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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第4章 エッフェル塔の恋人
縣の愛の交歓は初めから終わりまで優しかった。
ひたすらに光の哀しみと痛みを癒し、冷たく凍えた身体と心を温めることだけを考えた愛撫だった。
光はその優しさにまた涙した。
その涙は全て縣が愛おしそうにその唇で吸い取ってくれる。
その度に、光の中の哀しみと寒さが薄紙を剥がすかのように薄れてゆくのを感じた。

「…君の哀しみは全て私が引き受ける…だから君は何も考えないで…快楽だけを追ってくれ…」
縣が耳元で囁く。
そして愛おしげに軽くキスする。
「…縣さ…ん…」
「…泣かないで、光さん…」
光は縣の逞しい背中に腕を回す。
「…もっと強く抱きしめて…」
「…光さん…」
「…私を壊すくらいに…強く…!」
縣が狂おしく光を抱きしめる。
濃密で巧みなくちづけを与えられ、光は息も絶え絶えになる。
「…んっ…!…ああ…ん…」
「…君は気持ちよくなるだけでいい…いくらでも、君が望むままに与えてあげるから…」
穏やかな声とともに与えられる愛撫は濃厚でどこまでも優しかった。
光の中に入る時も、縣は決して急がず光の中の蜜の潤いを充分に確かめてから、ゆっくりと身体を沈めていった。
「…んんっ…!…はあ…っ…ああ…っ…」
逞しい男の熱さと質量に光は思わず声を上げる。
「…痛くない?力を抜いて、光さん…そう…いい子だ…」
まるで小さな女の子を褒めそやすように声をかける。
「…ああ…っ…いい…きもち…い…」
「…光さん…可愛い…食べてしまいたいくらいだ…」
珍しく縣が上擦った声で囁く。
光はうっすらと微笑み、自分から縣の顔を引き寄せた。
「…食べて…何もかも…貴方にあげる…だから…縣さんも気持ちよくなって…私だけではいや…」
「光さん…!」
光の唇を貪るように奪い、縣は光の花芯の最奥に熱い昂まりを送り込む。
「…ああ…んっ…!…は…ああ…ん…い…いいっ…!」
甘く掠れた喘ぎ声が縣の脳幹を刺激する。
光のベルベットのように滑らかに絡みつく蜜壷に、縣は途中から我を忘れた。
己の身体の下で美しく妖しく乱れる光の姿に身体が熱くなる。
縣の荒々しい律動も光はしなやかに受け止めた。
「…光さん…!」
琥珀色の瞳に涙を浮かべ、くちづけをねだる。
「…縣さ…ん…いっしょに…いって…おねが…い…」
二人は手と手を取り合い、共に快楽のきざはしを駆け上り、二人でそのまま甘く深い悦楽の沼へと堕ちていったのだった。




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