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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第4章 エッフェル塔の恋人
縣は新聞とポストカードを受け取りながら言葉を探した。
「フロレアン…!」
フロレアンは澄み切った透明な表情で笑う。
「…そしてヒカルに伝えてください。今までありがとうと…。ヒカルの幸せを誰よりも祈っていると…」
「…フロレアン、アンリエットさんとは…?」
フロレアンは首を振る。
「アンリエットさんはとても素敵なお嬢さんです。マレー子爵も良い方だ。…けれど私は1人で画家として一からやり直すことを決心したのです。誰にも頼らず、1人で孤独と向き合いながら…。そうすることで私はようやく画家としてスタートラインに立てるのだと思うのです」
縣はフロレアンをじっと見つめ、感に耐えたように言う。
「…貴方は強い人だ、フロレアン」
フロレアンはその美しい蒼い瞳で微笑む。
「ヒカルがそうさせてくれたのです。
…だから…貴方も、勇気を出すべきだ」
縣は目を見開いた。
「…え?」
「…ヒカルを幸せにしてあげてください」
「…フロレアン…」
フロレアンは颯爽と立ち上がり、縣に手を差し出した。
「早くヒカルを捕まえに行ってください。…僕の気が変わらない内にね」
そうしてフロレアンは魅惑的な瞳でウィンクすると、縣の手を握り、淀みない足取りで部屋を後にしたのだった。
「フロレアン…!」
フロレアンは澄み切った透明な表情で笑う。
「…そしてヒカルに伝えてください。今までありがとうと…。ヒカルの幸せを誰よりも祈っていると…」
「…フロレアン、アンリエットさんとは…?」
フロレアンは首を振る。
「アンリエットさんはとても素敵なお嬢さんです。マレー子爵も良い方だ。…けれど私は1人で画家として一からやり直すことを決心したのです。誰にも頼らず、1人で孤独と向き合いながら…。そうすることで私はようやく画家としてスタートラインに立てるのだと思うのです」
縣はフロレアンをじっと見つめ、感に耐えたように言う。
「…貴方は強い人だ、フロレアン」
フロレアンはその美しい蒼い瞳で微笑む。
「ヒカルがそうさせてくれたのです。
…だから…貴方も、勇気を出すべきだ」
縣は目を見開いた。
「…え?」
「…ヒカルを幸せにしてあげてください」
「…フロレアン…」
フロレアンは颯爽と立ち上がり、縣に手を差し出した。
「早くヒカルを捕まえに行ってください。…僕の気が変わらない内にね」
そうしてフロレアンは魅惑的な瞳でウィンクすると、縣の手を握り、淀みない足取りで部屋を後にしたのだった。