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belle lumiere 〜真珠浪漫物語 番外編〜
第4章 エッフェル塔の恋人
「…彼、カッコよかったなあ…」
窓から去りゆくフロレアンを見つめながら、ジュリアンが呟く。
そして、鈍色の空を振り仰ぐ。
「…冷えると思ったら…積もってきたよ、雪…」
縣はフロレアンの絵を見つめる。
暖炉の明かりに照らされた光は、夢のように美しい。
…光に包まれた美しい人…
…美しき光…
…belle lumiere…
…光さん…!
縣は毅然として顔を上げた。
「…ジュリアン…」
ジュリアンは無邪気に空を見渡している。
「ねえ、アガタ。積もったら、雪ダルマ作らない?子供の頃以来だ…て、ど、どうしたの?アガタ、なんだか怖い顔…」
縣が強い眼差しでジュリアンを見据えながらつかつかとジュリアンに近づき、肩を掴む。
「私の一生の頼みを聞いてくれないか」
「な、な、なに?」
「どんな手を使ってくれても構わないから、私を最速で日本に着く船に乗せてくれ。金は幾らでも払う」
ジュリアンは大きなブルーの瞳を更に見開く。
そして満面の笑みを浮かべ、胸を叩いた。
「任せてくれ!…我がロッシュフォール家の名前の威力を初めて君に知らしめる時が来たようだ!」
窓から去りゆくフロレアンを見つめながら、ジュリアンが呟く。
そして、鈍色の空を振り仰ぐ。
「…冷えると思ったら…積もってきたよ、雪…」
縣はフロレアンの絵を見つめる。
暖炉の明かりに照らされた光は、夢のように美しい。
…光に包まれた美しい人…
…美しき光…
…belle lumiere…
…光さん…!
縣は毅然として顔を上げた。
「…ジュリアン…」
ジュリアンは無邪気に空を見渡している。
「ねえ、アガタ。積もったら、雪ダルマ作らない?子供の頃以来だ…て、ど、どうしたの?アガタ、なんだか怖い顔…」
縣が強い眼差しでジュリアンを見据えながらつかつかとジュリアンに近づき、肩を掴む。
「私の一生の頼みを聞いてくれないか」
「な、な、なに?」
「どんな手を使ってくれても構わないから、私を最速で日本に着く船に乗せてくれ。金は幾らでも払う」
ジュリアンは大きなブルーの瞳を更に見開く。
そして満面の笑みを浮かべ、胸を叩いた。
「任せてくれ!…我がロッシュフォール家の名前の威力を初めて君に知らしめる時が来たようだ!」