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背徳の主
第4章 顧客NO 031517C 舞、さくら
「あの、すみません。私はここの店長で東城と申します。」

二人の女子高生は少し緊張気味に私を見つめる。

「実は今若い女性を中心に下着のアンケートをお願いしてます。」

「お時間は掛かりません。アンケートに協力して頂ければ、粗品を進呈致します。」

「どうでしょうか?」

二人は私の話にほっとした様子を見せた。

「少しなら…」

二人は互いに顔を見て頷く。

「ありがとうございます。じゃ、こちらにどうぞ」

二人を再度「Mid Night」に招き入れ、千夏に頷くと二人をオフィスに連れて行った。


「こちらのソファーにどうぞ。」

二人をソファーに座らせ、私は対面に座った。

二人は部屋を見渡していた。

「ます、これをご覧になって下さい。」

テーブルの壁側に設置しているモニターのスイッチを入れた。

モニターが明るくなり、「Mid Night」の内部が映し出された。

画面の右側には二人の女子高生が、商品を手にして手提げ袋に入れ込んだ様子を映していた。

私はここで再生を止めた。

二人の女子高生は怯えて下を向いている。

「袋の中から万引きした商品を出すんだ!」

私の口調は完全に変わった。

二人は怯えながら手提げ袋をテーブルに上げ、中から値札の付いたブラジャーとショーツを出した。

「他には?」

左側のツインテールの子が下を向いて

「もう、ありません。」

右側のポニーテールの子も

「ありません。」

「前にもここで万引きしたのか?」

二人とも首を横に振る。

「学生証を出せ!」

二人は私の顔を見上げ、またうつ向く。

「早く学生証を出すんだ!」

二人は震えながら、手提げから学生証を取り出してテーブルの上に出した。

私は二人の学生証を手元に並べた。

○○県立△△女子高等学校2年4組

中村 舞

高村 さくら

( △△女子高といえば大してレベルが高くない。)

「あえて言わないが、万引きは犯罪だと理解してると思う。」

「す、すみません。もうしません。」

ツインテールの舞が涙を浮かべて私を見つめる。

「もうしませんから許して下さい。」

ポニーテールのさくらも私に訴える。

私はデスクから灰皿と煙草を取り、テーブルに置くと煙草に火を着けた。

「私はこの手の犯罪には厳しい対応を取っている。」

私は舞とさくらの瞳を凝視した。

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