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初恋ウエディング~交際0ヵ月の求愛~
第10章 スイート・ハネムーン
伊豆山神社、熱海ロープウェイで山頂駅を目指す。
白い雲が千切った綿菓子のようにたなびき、青い空が広がっている。緑色も濃く、その向こうには熱海湾が一望できた。

時折、私達を乗せたゴンドラが風に揺れる。その度に柚希の眉間にシワが寄った。

「揺れるし、高いな・・・」

「怖いの?柚希」

「少し」

「柚希にも苦手なモノがあるんだ」
私は柚希のカラダ以外のコトは何も知らないんだと改めて思った。
その新しい発見に胸がキュンとする。

熱海唯一の展望台・あいじょう岬に到着。
あいじょう岬のモニュメントの絵馬に柚希は興味を示す。

「絵馬に錠前と鍵が二つついてて、お願いが届きますようにと祈りながら鍵をかけて、鍵は二人で大切に持っておくんだよ」

「やけに詳しいな。眞彩」

「だって、熱海の観光ガイドに乗ってたもん」


「秘宝館入ってくれるなら、絵馬つけてもいいよ」

「秘宝館?いいよ・・・」

「じゃ絵馬つけよう!」

私達は近くの売店で絵馬を買い、二人で願い事は「ずっと幸せでいられますように」
鍵は私が預かり、バックにそっと忍ばせた。

「今度は秘宝館に行こう」

柚希は不敵に笑って私の肩を抱いた。
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